2004年度全日本選手権10ダンス観戦記《平成17年2月13日 名古屋市公会堂開催》 競技企画部長 山口 剛 2004年度の全日本選手権10ダンスは諸般の事情により、2年続けて年明けの2005年2月13日に名古屋市公会堂において開催された。
出場エントリーは昨年の16組からぐっと増えて23組。昨年3位の渡辺組が引退し、どの選手が空いたファイナルの座を仕留めるか、1組の欠場もなく熱い戦いの火ぶたが切って落とされた。選手の欠場はなかったが、審査員のうちAジャッジの佐藤明彦先生が会場に向かう途中、バイクにひっかけられ転倒。破れた服を着替えるため自宅に戻ったため1次予選に間に合わないと言うアクシデントがあった。 審査員は11名、即ち110チェック満点のチェック法で、1次予選でまず、62チェック以上を獲得した12組が準決勝に駒を進めた。半分が振るい落とされる厳しい予選で、地元愛知県の伊藤直起・加藤明美組が54チェックという大量チェックを獲得しながら次点に泣いた。また、九州のプレスリー、シニアラテン日本代表の田中・平尾組、ベテランの照井組といったビッグネームが涙を飲んだ。 準決勝では、2年連続チャンピオン石原・齋藤組がフルチェックで余裕の通過、久保田組もスタンダード、ラテンともに平均した力を発揮して通過した。スタンダードで着実に得点を重ねた高校生カップル吉川・白井組と中学生カップル川島・小嶋組が10ダンス2度目の挑戦で嬉しい初ファイナル。 負けじともう1組の高校生カップル今井・塚田組が10ダンス初挑戦で決勝入りした。15歳から20歳まですべての学年が揃うこの5組を尻目に、ラテンを得意とする青年実業家、夏見・柳堀組が大人の踊りで2年連続のファイナルを決めた。同じくラテン得意の治面地・山崎組、大秋組は、前半のスタンダードを凌ぎ、後半のラテンで生き生きとした踊りを見せ、生き返ったが、時すでに遅し。スタンダードの失点が響き、決勝に手が届かなかった。特に治面地・山崎組は、石原組の完全優勝をラテンいずれかの種目で阻む可能性を持ったカップルだっただけに惜しまれる。神奈川の田中・小林組は、スタンダード・ラテンともに安定した踊りを見せたが、治面地・山崎組と同チェック数で次点、3/110チェック差に泣いた。ベテラン望月組、超若手の八幡組、渋いスタンダードダンサー菅原組も決勝に手が届かなかった。 本年の決勝戦は前半競技がラテンであった。 中学生1組、高校生2組を交えぐっと若返ったファイナルメンバーのラテンは圧巻であった。石原・齋藤組が5種目とも制し、俄然有利となった。後半のスタンダードでは、勢いのある石原・齋藤組が他を引き離し、全種目1位の完全優勝で3連覇を遂げ、昨年の世界10ダンス選手権7位の貫禄を見せた。続いて、安定した力を見せた久保田組。3位には、久保田組からスタンダード4種目で2位をもぎ取った吉川組が入った。以下、伸びやかな肢体が武器の初々しい今井・塚田組、VWで非凡なスイングを見せた川島・小嶋組、スタンダードが課題の夏見・柳堀組が続いた。 優勝した石原組は、オナーダンスでスローフォックストロット、さらにアンコールでクイックを披露し、 会場は最後まで活気に溢れ大会の幕を閉じた。 結果
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