2006年度全日本選手権10ダンス観戦記


《平成18年2月12日 名古屋市公会堂開催》

競技企画部長 山口  剛

 2006年度の全日本選手権10ダンスは、3年続けて名古屋市公会堂において開催され、恒例となって来ました。 2005年度大会となった9月4日ホテルイーストでの競技会をはさみ、2007年度の日本代表を決定する競技会となりました。
2007年世界10ダンス選手権は、初めて日本で開催されることとなり、2007年10月東京体育館での舞台を目指し、選手達はその大会に出場する代表権をかけて本日の大会に臨むこととなりました。

 出場エントリーは13組。少数精鋭の戦いが午前11時より始まった。昨年同様、審査員は11名、即ち110チェック満点のチェック法で、1次予選でまず、11組が準決勝に駒を進めた。地元愛知県からは、昨年次点に泣いた伊藤直起・加藤明美組と、初出場の瀬内英幸・河内知子組の2組が進出。その他、東京都4組(うち2組は近年上京組)、神奈川県4組、北海道1組という内訳であった。

 準決勝では、この中から4大会連続チャンピオンの石原・齋藤組がフルチェックで余裕の通過、3大会連続準優勝の久保田豊組もスタンダード、ラテンともに平均した力を発揮して通過した。この2強に今年、瀬古組が圧倒的な実力のラテンと中部地方初お披露目のスタンダードで殴りこみをかけてきた。リズム感と強靭な足腰を武器とした以外と上品なスタンダードは上位進出を予感させた。さらに、昨年中学生ながら初ファイナルを決めた川島・小嶋組がスタンダードの貯金を生かして決勝入り。その最年少記録を昨年9月の大会で破った北海道の中学生カップル久保田組(昨年は八幡組で出場)とさわやかな高校生カップル今井・塚田組が残り2枠を捉えた。1次予選フルチェックだった神奈川の田中・小林組は、ラテンでやや失速し3大会連続の次点、6/110チェック差に泣いた。同じく神奈川のベテラン望月組、さらに同じく神奈川の最年少ファイナル記録更新を狙った小嶋・盛田組、前述の地元愛知県の2組が決勝に手が届かなかった。

 本年の決勝戦は前半競技がラテンであった。 中学生1組、高校生2組の10代3組を20代の3組が迎え撃つ構図だったが、まずは、瀬古組がラテン5種目をパーフェクトで制し、続いて石原・齋藤組、久保田豊組が5種目とも2位、3位通過、大人の踊りで若手を圧倒した。後半のスタンダードでは、石原・齋藤組が5種目をパーフェクトで制し、逆転優勝。瀬古組はスタンダードも健闘したが、5種目3位で総合2位となった。久保田豊組がスタンダード5種目を巧みに踊り分け5種目2位で総合3位となった。4位には、久保田弓椰組がラテンの貯金で逃げ切り、僅差で高校生2組を制した。2位から4位には兄弟姉妹カップルが並んだ。川島・小嶋組はスタンダード5種目4位と追い上げたが、サンバ、チャチャチャの6位が響き、総合5位。今井・塚田組は、スタンダードに課題を残し総合6位となった。

 優勝した石原組は、オナーダンスでクイックステップ、さらにアンコールでワルツを披露し、 会場は最後まで活気に溢れ19:00過ぎに大会の幕を閉じた。

結果
順位リーダー名パートナー名所  属
優勝石原 正幸  齋藤 愛   (東京都)
2位瀬古 薫希  瀬古 知愛  (東京都)
3位久保田 豊  久保田 幸  (東京都)
4位久保田 弓椰 久保田 蘭羅 (北海道)
5位川島 知也  小嶋 まつり (神奈川県)
6位今井 順一  塚田 真美  (東京都・栃木県)