2007年度全日本選手権10ダンス観戦記


《平成19年2月11日 名古屋市公会堂開催》

競技部長 山口  剛

 2007年度の全日本選手権10ダンスは、4年続けて名古屋市公会堂において開催され、恒例となって来ました。2007年世界10ダンス選手権は、10月20日に東京体育館で開催されます。昨年優勝の石原・齋藤組が日本代表として世界に挑みます。2008年世界10ダンス選手権はドイツでの開催が予定されており、その代表権をめぐっての戦いが繰り広げられました。

 エントリー12組、欠場2組で出場10組。昨年のメンバーに加え、一昨年3位の吉川竜がニューパートナー石井恵麻と2年ぶりの出場、森田銀河、飛鷹兄弟が昨年のユース10ダンス2位と5位の実績を引っさげ初出場とますます少数精鋭の熾烈な戦いとなった。昨年同様、審査員は11名、即ち110チェック満点のチェック法で、準決勝2ヒートで実施された。第1ヒートからは、5大会連続チャンピオンの石原・齋藤組がフルチェックで余裕の通過。昨年3位の久保田豊組もスタンダード、ラテンともに平均した力を発揮して通過した。北海道の中学生カップル久保田弓椰組もラテンで追い上げ、地元愛知県の瀬内・河内組と神奈川県の田中・小林組を振り切った。第2ヒートからは昨年準優勝の瀬古組がフルチェックで通過。吉川・石井組、川島・小嶋組がスタンダードの貯金を生かし、森田兄弟の追撃をかわした。森田銀河−小和田愛子組はグランプリラテンファイナリストの実力を発揮し猛追、58チェックを獲得したが、わずか2/110チェック差に泣いた。

決勝戦は前半競技がラテンであった。まずは、瀬古組がラテン5種目を1位で制したが、ChaChaで2つ、Rnmbaで1つ石原組に1位を取られ、パーフェクトはならなかった。石原組は5種目2位。この時点で、スタンダードに圧倒的な力を持つ石原組の連覇が濃厚と思われた。しかし、後半のスタンダードで、石原・齋藤組が予想通り5種目を1位で制したものの、瀬古組はパワフルかつ繊細な踊りで久保田豊組、吉川組を圧倒し、5種目2位、さらに石原組から7つの1位を剥ぎ取った。その結果石原組と瀬古組が順位点合計15で並び、110の順位を並べたスケーティングとなり、過半数59個の1位を獲得した瀬古組が初優勝を遂げた。3位は昨年同様久保田豊組。4位は、Waltzの3位を生かし、吉川組。久保田弓椰組と川島組は順位点50で並んだが、規定により川島組が5位。久保田弓椰組は、スタンダードに課題を残し総合6位となった。

 世界のファイナリスト石原組を破り優勝した瀬古組は、オナーダンスでワルツ、さらにアンコールでスロー(途中からルンバ)を披露し、 会場は最後まで活気に溢れ19:00に大会の幕を閉じた。来年以降も高いレベルでの10ダンス代表権争いが予想され、本当に楽しみである。

結果
順位リーダー名パートナー名所  属 
優勝瀬古 薫希  瀬古 知愛  (東京都)初優勝
2位石原 正幸  齋藤 愛   (東京都) 
3位久保田 豊  久保田 幸  (東京都) 
4位吉川 竜   石井 恵麻  (神奈川県) 
5位川島 知也  小嶋 まつり (神奈川県) 
6位久保田 弓椰 久保田 蘭羅 (北海道)