2007年ソロ競技:スタンダード課題フィガー 演技方法について(Q&A)

2007年10月  Rev. 1.0
社団法人日本ダンススポーツ連盟

 2007年のソロ競技に於ける課題フィガーの演技では、異なるフィガーと判定される様な大きな差異やミスがなければ「フィガー違反」としての減点はありません。それ以外の審判基準は従来通りです。別途新審判基準による内部評価が並行して行われますがこれは当日の順位には影響を与えません。以下の記述でフィガー違反とされない減点項目は新審判基準での評価です。
 課題フィガーのカウントについては、記載されたものを標準としますが、より効果的なアクセントを加えることも認められます。また、スウェイその他の演技方法は、テキストと一致していなくても「より効果的」と解釈されれば認められます。

 ただし、上記の変更可の箇所であっても、その変更が「効果的」でなければ演技結果が良く評価されません。さらに、演技の仕方によっては完全に別のフィガーに見えたり、間違いに見えてしまいフィガーの減点になることもありえます。フィガーを変更する場合は、そのようなリスクを理解して、ご使用ください。ご不明な点は下記に従ってお問い合わせください。

Q & A

  • Q:もし「フィガー違反」があった場合はどのように減点されるのですか?
  • A:「フィガー違反」と認定された場合は、その種目についてスケーティング後の順位から一つ繰り下げられますのでご注意下さい。これは技術判定員のチェックを経て審判長の最終判断によって行われます。

  • Q:「フィガー違反」と認定されるのはどういう場合ですか?
  • A:フィガー違反と認定されるのは、課題フィガー(4つのうちの1つでも)を忘れて全く実施しなかったり、明らかに大きなミスによって全く別のフィガーになった場合です。
    そのフィガーを演技しようとしてバランスを崩して少し歩いてしまったという程度のミスの場合は2007年度に於いては「フィガー違反」とはみなされません。ただしこの場合は乱れがあるわけですから通常の審判の判断としてバランスが悪いという評価が加わる可能性はあります。

  • Q:「課題フィガーについて」には「JDSFダンススポーツ教程」に従う旨が書いてありますが、カウント、スウェイ、演技方法を効果的であれば変更することを認める旨が書かれており、矛盾するように感じますが?
  • A:課題フィガーは、厳密にテキスト記載の通り演技することが目的ではなく、このフィガーの趣旨から逸脱しない範囲で、日本のトップにふさわしい応用表現を認めるという考え方です。周知の都合上、ベーシック・フィガーの記述で指定していますが厳密に言えば「ベーシック」フィガーではなく「課題」フィガーとご理解ください。

  • Q:新審判基準において、課題フィガーの「効果的」な変更というのは、どこまで認められるのですか?
  • A:「効果的」というのは、課題フィガーの趣旨から大きく逸脱しない範囲で、ダンススポーツとして、スピード、表現力などの演技の向上の為の合理性が認められるということです。ただし、「特記事項」で指定されている事項は、回転量を含め、表現に制限を加えていますので、逸脱すると減点となります。

    • 認められる例:
      ・より効果的なアクセントを加えるための応用カウントの使用
      ・より効果的な応用スウェイ、回転量など
      ・より効果的なダイレクションやアライメント
    • 認められない例:
      ・課題フィガー内のステップ数、小節数の変更
      ・足型そのものを変更すること
         ナチュラル・ターンをオープン・ナチュラル・ターンにする、歩数が増減するなど
         オープン・インピタスなどをプレスアップではなくスウィング系ターンに変更するなど
      ・LOD違反

  • Q:課題に書かれている順番どおりだと、フレーズがおかしいと思うのですが?
  • A:他のフィガーを前後に組み合わせて、全体のフレーズを考えることをお勧めします。

  • Q:ダイレクションやアライメントは自由ですか?
  • A:ワルツの課題4の特記事項に「LODに沿って一直線に移動」と書かれています。この部分に関しては、「LODに沿って一直線に移動」することが課題ですから、蛇行したり、壁方向に寄っていったりすると、減点の対象です。それ以外の部分は、基本的には「JDSFダンススポーツ教程」に従うことになっていますが、前述の通り「効果的な変化」は認められます。

  • Q:ワルツのオープン・インピタスが難しくて、男子ヒールが揃わないのですが。また、ヒールをそろえると、男子右足の踵がつけないので、フットワークがTになってしまうのですが?
  • A:提示されたフットワークどおりに演技しなければ減点です。ヒールが揃うことも、オープン・インピタスの条件ですので、ヒールが揃わないとオープン・インピタスと認められず、場合によっては、オープン・インピタスを踊らなかったと判断される可能性もありますので、ご注意ください。

  • Q:ワルツのシャッセ・フロム・PPからナチュラル・ターン前半(OP)に行くところで、シャッセ・フロム・PPの女子4歩目(右足)を着くときに、女子3歩目(左足)のヒールが床についてしまうのですが、フットワーク違いと減点されますか?
  • A:減点されます。フットワークの違いは、ライズ&フォールをも変えてしまうため、ワルツの正しいスウィングになっていない可能性があるため、ムーブメントや音楽性(2の終わりでロワー開始となってしまうため)に対しても減点対象となる可能性があります。

  • Q:ワルツのダブル・リバース・スピンからウィスクや、タンゴのフォーラウェイ・リバース・アンド・スリップ・ピボットからコントラ・チェックなどのように、組み合わせが規定されているものは、続けて踊らなければいけないのですか?
  • A:課題に書かれている順番どおりに踊らなければいけません。

  • Q:オープン・リバース・ターン(レイディー・アウトサイド)のエンディングは、クローズドでもオープンでも構いませんか?
  • A:課題に書かれているフットワークを確認してください。6歩目は(WF)と指定されており、クローズドが課題であることを提示しています。しかし、6歩目にはアンダーラインがついているため、重視しない項目となっていますから、オープン・フィニッシュを使っても今回は減点されません。

  • Q:タンゴのウォーク2歩からプログレッシブ・リンクや、フォーラウェイ・リバース・アンド・スリップ・ピボットからベーシック・リバース・ターン(1〜3歩)→リバース・ピボット→コントラ・チェックの課題4-b)のようにフレーズが合わないので、例えば、コントラチェックの前にシャッセを入れて踊りたいのですが?
  • A:課題どおりの順番で(他のフィガーをはさまずに)踊ってください。シャッセを入れることで課題が容易なものになるので、これは減点対象です。フレーズをうまく合わせたい場合は前後のフィガーを調整するか、課題4-a)を選択してください。

  • Q:課題フィガー演技申請用紙の提出ですが、「当日の演技がコンディションにより、申請用紙の予定フィガーから変更されることは認められます。」と書いてありますので、内容は適当で良いのでしょうか?
  • A:これは万一間違えた場合の選手救済措置です。大きく違う場合にはその場で技術判定結果が取れずに「ビデオ判定」になる場合があり皆さんを待たせることになります。従って必ず正確な記入をお願いします。タンゴの音楽は4ビートで1小節とし、例えばプログレッシブ・リンクは0.5小節と数えてください。

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これらにつきまして、ご不明な点があれば、以下まで質問していただいて結構です。
(回答時間を十分とって頂く必要があります)
また、特にご希望があれば、(担当の都合のつく範囲で)課題フィガーに関する事前面談、もしくは確認を行うことも可能です。
ご希望の方は、下記の連絡先までメール(メールが使えない場合はFAX)で、お問い合わせください。

お問い合わせ先:
本件に関する担当:渡辺和昭
メール:JDSF_watanabe@yahoo.co.jp
FAX: (03) 5434-5985 (JDSF事務所)

以上