2011年度全日本選手権10ダンス観戦記


《平成23年2月6日 名古屋市公会堂開催》

競技部長 山口  剛

 2011年度の全日本選手権10ダンスは、8年続けて名古屋市公会堂において開催され、恒例となって来ました。2006年、モスクワで開催された世界10ダンス選手権では石原−斎藤組が、2007年、東京体育館で開催された世界10ダンス選手権では瀬古組が、そして2009年、南アフリカでの世界ワールドカップ10ダンスでは久保田弓椰−蘭羅組がそれぞれ見事決勝進出しており、世界で戦える選手を輩出してきたこの競技会ですが、2012年世界10ダンス選手権はノルウェー・オスロでの開催が予定されており、その代表権をめぐっての戦いが繰り広げられました。

 エントリーは9組、審判員は11名で開催されました。優勝争いは3連覇を狙う北海道の久保田弓椰・久保田蘭羅と過去4回のファイナル経験を持ちユース時代には久保田弓椰・久保田蘭羅を抑えてユース10ダンスチャンピオンにもなった神奈川の川島知也・小嶋まつり組に、東部ブロック選手権スタンダード・ラテンともファイナリスト、初出場の関根チョーマ・沼田まな美組がどこまで食い込むか。熾烈な準決勝では、この3組のほか、海外(オーストラリア)でのジュニア出場経験があるリーダーと学連(東洋大学)OGの上田裕哉 ・齋藤望組(神奈川県)、ラテンは実績があるもののスタンダードは未知数ながらラテンの貯金を何とか守った初出場の井ノ川大輔・青木絵里組(静岡県)、地元愛知から大学生と高校生のいとこ同士のカップル星野浩基・宮島愛未組が勝ち残りました。昨年5位の田中秀一・雅代組(神奈川県)はラテンのチェックが伸びず惜しくも次点、谷口薫・秋本真由美組(大阪府)はスタンダードで、行方友康・柴田夕輝組(中部学連)はラテンでそれぞれ健闘するも裏部門でほとんどチェックが取れず準決勝で敗退しました。

 決勝戦は前半競技がスタンダード。久保田弓椰・蘭羅組が絶妙のコンビネーションと軽やかなリズムを醸し出し5種目とも1位、そのままラテンも他を圧倒し、10種目とも過半数1位を勝ち取る見事な踊りで、昨年に引き続き全種目1位で川島知也・小嶋まつり組(全種目2位)を振り切りました。3位には、初出場ながらT、V、Qでの個性的な踊りで複数の審判員から1位を獲得し健闘した関根チョーマ・沼田まな美組が入りました。4位はラテンで強さを見せた上田裕哉・齋藤望組。5位はバランスの取れた踊りで地元の星野浩基・宮島愛未組。6位は今後スタンダードの伸びが期待される井ノ川大輔・青木絵里組が入りました。

 3年連続優勝となった久保田弓椰・久保田蘭羅組は、オナーダンスでSamba、さらにアンコールでChaChaChaを披露し、会場は最後まで活気に溢れ、大会の幕を閉じました。来年以降も高いレベルでの10ダンス代表権争いが予想され、本当に楽しみです。

結果
順位リーダー名パートナー名所  属 
1位久保田 弓椰  久保田 蘭羅   北海道3年連続優勝!
2位川島 知也  小嶋 まつり  神奈川県  
3位関根チョーマ  沼田 まな美  埼玉県  
4位上田 裕哉  齋藤 望  東京都  
5位星野 浩基  宮島 愛未  愛知県  
6位井ノ川大輔  青木 絵里  静岡県