2012年度全日本選手権10ダンス観戦記


《平成24年2月12日 名古屋市公会堂開催》

競技部長 山口  剛
 2012年度の全日本選手権10ダンスは、9年続けて名古屋市公会堂において開催され、恒例となって来ました。2006年、モスクワで開催された世界10ダンス選手権では石原−斎藤組が、2007年、東京体育館で開催された世界10ダンス選手権では瀬古組が、そして2009年、南アフリカでの世界ワールドカップ10ダンスでは久保田弓椰−蘭羅組がそれぞれ見事決勝進出しており、世界で戦える選手を輩出してきたこの競技会ですが、2013年世界10ダンス選手権はオーストリア・ウィーンでの開催が予定されており、その代表権をめぐっての戦いが繰り広げられました。
エントリーは11組出場9組、審判員は11名で開催されました。優勝争いは4連覇を狙う北海道の久保田弓椰・久保田蘭羅に、昨年ウクライナから日本に拠点を移し、三笠宮杯スタンダード・ラテン両方のファイナリスト オレクシー・グザー−太田吏圭子組が対抗。その他、過去5回のファイナル経験を持ちユース時代には久保田弓椰・久保田蘭羅を抑えてユース10ダンスチャンピオンにもなった神奈川の川島知也・小嶋まつり組。昨年から参戦の関根チョーマ・沼田まな美組。三笠宮杯ラテンファイナリストのこの4組にグランプリin大阪のラテンファイナリスト上田裕哉 ・齋藤望組が絡み、熾烈な準決勝では、この5組と初出場の大東哲平−ハン・ジンニィ組が得意のスタンダードで引き離し、勝ち残りました。新井光斗−甘利このみ組はジャイブで7チェックと健闘したものの次点、長屋勝也−長屋雅苗組は得意のラテンで思ったほど点が伸びず、同じく初出場で九州からの参戦の石田直−石田陽子とともに準決勝で敗退しました。

決勝戦は前半競技がスタンダード。オレクシー・グザー−太田吏圭子組が力強い動きで圧倒し、5種目とも1位、ラテンでも5種目2位をキープし、初優勝を遂げました。久保田弓椰・蘭羅組はラテン5種目では貫録で1位を獲得したものの、スタンダードでのV3位が響き、順位点差1で総合2位となりました。3位にはV、P、Jなどでのパワフルな動きで上位2組を脅かした川島知也・小嶋まつり組が、4位には、独特のリズム感とプレゼンテーションで会場を沸かせた関根チョーマ・沼田まな美組が入りました。5位は3年連続ファイナリストとなった上田裕哉・齋藤望組。6位は終始美しいラインをキープした大東哲平−ハン・ジンニィ組が入りました。

 初優勝のとなったオレクシー・グザー−太田吏圭子組は、歓喜のオナーダンスでRumbaを披露し、 会場は最後まで活気に溢れ、大会の幕を閉じました。来年以降も高いレベルでの10ダンス代表権争いが予想され、本当に楽しみです。

結果
順位リーダー名パートナー名所  属 
1位オレクシー・グザー  太田 吏圭子   東京都初優勝
2位久保田 弓椰  久保田 蘭羅   北海道
3位川島 知也  小嶋 まつり  神奈川県  
4位関根 チョーマ  沼田 まな美  埼玉県  
5位上田 裕哉  齋藤 望  東京都  
6位大東 哲平  ハン・ジンニィ  東京都